箱根大学駅伝

神奈川大学 箱根駅伝OB
祝鈴木選手日本新記録
第76回びわ湖毎日マラソン
竹田 昭彦
2017年箱根駅伝2区を走る鈴木健吾選手()・神奈川大学陸上競技部Webより
 2021年3月1日の第76回びわ湖毎日マラソンで、神奈川大学陸上競技部で活躍した鈴木健吾選手が日本新記録(2時間4分56秒)で、フル初優勝を飾りました。
 直ぐ浮かんだのは、同部監督の大後栄治氏のことでした。自宅でテレビ観戦したそうですが、たいへん喜ばれたと思います。
 大後氏に初めてインタビューしたのは、コーチ時代の1995年で、鶴見川堤防で練習中の時でした。当時は、部員専用のグランドがなく、鶴見川堤防や、大和市陸上競技場、平塚市総合公園などを転々としていました。
 大後コーチが第2種運転免許を取り、陸上部OBが工面したマイクロバスのハンドルを握り、部員を運んでいたのです。夜は「バスのヘッドライトを照明に使った」とも、聞きました。
 そして、全校あげての応援が、1997、8年の連覇となりました。その影響は大きく、神奈川大学を受験する学生が3倍になったそうです。
 2016年、翌年の箱根駅伝に向けた取材の時は、大後監督が「2区は鈴木健吾で、トップ争いで勝負させたい」。そして、「やっと育ったエースらしいエースだ、将来はマラソンをやらせたい」と言われ、東京オリンピックを視野に入れていました。普通は聞けない踏み込んだ話しで、ビックリしました。インタビューは1時間35分に及び、例年にない良い雰囲気でした。
 2017年の結果は、鈴木選手が2区で区間賞をとり、チームは総合5位でシード権をとる(12年ぶり)快挙でした。その上、同年11月の全日本大学駅伝対校選手権(名古屋→伊勢)では、鈴木選手がアンカーを勤め、20年ぶりの優勝でした。
 今回、日本新記録を達成した鈴木選手の走りは、後半が前半より速いスピードで、世界で戦えるパフォーマンスでした。故障などの苦悩を糧に、体力作りや走法に磨きがかかったようです。2024年のパリオリンピックに期待がかかります。
 びわ湖毎日マラソンの第1回目は、1946年に大阪市開かれ、日本で最古で最長のフルマラソン大会です。戦後、困難の時期に、よく開かれたと思います。コースが滋賀県に移ったのは、1962年の17回からです。(尚、箱根駅伝の再開は1947年)
 大阪市での第1回の記録を見ると、ベスト10に「坂出走ろう会」のメンバー2人が入っています。坂出走ろう会は、その後も活躍し、5回大会で優勝者をだしています。
 坂出(香川県)の塩田で働き、足腰を鍛えた市民ランナーが多かったと伝えられています。坂出市は、市民マラソンクラブの「発祥之地」かも知れません。
 2022年大会は、「第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会(仮称)」となり、大阪市で開催することになりました。
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